ボーカルをミックスするにあたって、フォルマントを調整することがあります。
しかし、具体的にどのような場面で、どのように調整するかについてはあまり語られていないので、実際にMIX師として活動している僕がフォルマントの実践的な使い方について解説します。
ひろです!MIX師兼ブロガーとして活動しております。MIX師とは
フォルマントとは?
「フォルマントって言葉は知っているけど具体的にどんな意味なのか知らないよ」と言う方もいると思いますので、簡単に解説します。
フォルマントについて一言で説明すると、言葉を発する時にできた周波数のピークのことを言います。ボーカルミックスにおいては、声を男性っぽくしたり女性っぽくしたりすることができる機能を言います。
フォルマントは、発する母音・音程・人物によって変化するので、特定の人物の声の個性や魅力を把握することができるというものになっております。
より具体的な説明につきましては、以下の記事にまとめておりますので、気になる方はご覧ください。
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参考フォルマントとは?〜声を認識する重要な要素〜
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フォルマントの実践的な使い方
それでは、フォルマントの実践的な使い方について解説していきます。
当記事では、Melodyne に付属しているフォルマントを使用していきます。
世界的に定番のボーカル補正ソフトであるMelodyneを使用すればフォルマントだけでなく声のピッチ(音程)やタイミングの編集についても、自然に直することができます。
もしボーカルミックスに困っている方がいればMelodyneを使用することを強くお勧めします。
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参考ボーカル補正ソフトMelodyne(メロダイン)とは?画面の見方や機能について解説します
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ボーカルの高音、低音を自然にする
まず1つ目の実践的な使い方は、単発で発生する最高音や最低音を自然に戻すために使用することです。
どう言うことか掴みづらいと思うので例えを出すと、
- 高音の場合:DECO*27さんのヴァンパイアにおけるサビ「あたしヴァンパイ『ア』」
- 低音の場合:Kanariaさんの酔いどれ知らずBメロ「あなたの声に耳を貸す『時まで』」
このような箇所は平坦な音程から急激に音程が上下するので、声の雰囲気が崩れやすいです。
この時にフォルマントで歌声を調整してあげると自然に聞かせることができます。
画像のように、高音はフォルマントを下げ調整、反対に低音はフォルマントを上げ調整すると上手くいきやすいです。
ハモリ作成時の調整
Melodyneを使ってハモリを作成した場合、フォルマントを使用することが多いです。
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参考【男性編】初心者向け!Melodyneを使ったハモリ作成方法を解説します
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特に3度下や5度下などの、メインボーカルに対して下ハモリを行う際はよくフォルマントを使用します。
やり方としては、まずした画像のように下ハモリを作成したボーカルに対してフォルマントを「+100ct」程度上げます。
その後、ハモリ全体を聞いてもう少しフォルマントが必要か、それとも不要か検討しながら微調整をします。
少し時間のかかる作業ですが、ハモリの自然さを出すために重要な作業になるので、ぜひ試して見てください。
ハモリ作成でなくても、ハモリが不自然と感じる時はフォルマントを調整してみましょう。
さいごに
ここではフォルマントの実践的な使い方を解説させていただきました。
フォルマントは声の男性っぽさ、女性っぽさを調整できますので、不自然だなと感じる部分があればフォルマントで自然に調整できることがあります。
使いどころ、そして慣れるまで調整が難しい機能かと思いますが、この記事を見てぜひ挑戦していただければ幸いです。
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参考ラジオボイスをStudio One付属プラグインだけで作る方法
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参考ハモリを左右から聞かせる方法!Studio Oneの機能だけを使って解説します
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★★この記事を書いた人★★
ひろ
2021年2月よりミキシングエンジニア(MIX師)として活動を始め、300件以上の作品を手がけました。
音楽制作(DTM)は2017年から始めました。
そんな僕が、誰でも「歌ってみた」や「ボーカルミックス」を楽しんで欲しいと考え、このサイトを作りました。
それ以外にも、レビューや健康、体験談など幅広く記事にしておりますので、ぜひ見ていただければ嬉しいです。
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