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ボーカルミックスにおけるハモリの処理は軽視されがちですが、非常に重要な作業です。ハモリをどのように聞かせたいかという1点でその曲における音楽的なかっこよさが別物になります。
そこで今回は、Studio Oneに付属する機能だけを使って、1つのハモリを左右からダイナミックに聞かせる方法を解説します。
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MIX師兼ブロガーとして活動しているひろです。よろしくお願いします。
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参考Studio One 6 Artistをパソコンにインストールする方法を徹底解説
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事前確認
今回の学習で音源にどれだけ変化があるか、最j書に聞いた方がイメージが掴みやすいと思います。
そこで、まずはこちらで準備した音源を聴き比べていただければ嬉しいです。
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音量に気をつけながら、イヤホンもしくはヘッドホンで聴いてください!
ハモリ処置前
ハモリ処理後
※楽曲:バルーン/シャルル
いかがでしょうか?どちらが正解というわけではないですが、ハモリを左右に広げた方がよりダイナミックな音楽に聴こえると思います。
それではハモリ処理後の音源ができるまで、順番に解説していきますので、よろしくお願いします。
ハモリの広げ方解説
センドからFXチャンネルを追加
まずは、ハモリトラックを選択し、インスペクターを開きます。その中にあるパンを左右いずれかに最大まで振ります。
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インスペクターの下方に「センド」と書かれた場所があります。
その右にある「+」をクリックし、「FXチャンネルを追加」をクリックします。
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すると「FX1」と書かれたトラックがセンド内に追加されます。
次に画面右下の「ミックス」をクリックします。するとミキサー一覧にに「FX1」が追加されていると思います。
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確認が取れたらFXチャンネルの追加は完了です。
次にFXチャンネルで必要な作業を進めます。
FXチャンネルにディレイ挿入・設定
まずはハモリで振ったパンとは反対側にパンを振ります。
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そして、インサートすぐ右の「+」から「Dynamics」→「Distortion」→「Delay」の順に開き、「Beat Delay」を選択します。これでBeat DelayがFXチャンネルで立ち上がります。
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立ち上がったBeat Delayを、以下の通りに調整します。
- Beats:1/64T
- Feedback:0%
- Low Cut:20.0Hz
- Hi Cut:20.00k
以上の箇所をデフォルトから変更します。実際の設定画面を下に掲載しております。
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これでFXチャンネルの準備は完了です。最後に音源を聴きながら調整作業を行います。
音源の再生と調整
最後に音源を聴きながら音量調整をしていきます。
まずはハモリのインスペクターにある「ソロモード」をオンにします。この状態で音源を再生しながら、右下「FX1」のすぐ下にあるフェーダーの値を上げていきます。
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左右が大体同じくらいの音量で聞こえてくるまでフェーダーを上げてください。
左右の音量が同じくらいになったら、ソロモードをオフにして、楽曲全体を聞いて音量調整します。
全体との音量調整で覚えて欲しいことは、「ハモリトラックのフェーダーで左右両方が同時に音量変化」「FXのフェーダーでFXトラックのみ音量変化」ということです。
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この2つのフェーダーを駆使して、楽曲に馴染ませられつつダイナミックなハモリを作れると、さらにボーカル処理の幅が広がります。
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ハモリの左右が広すぎると感じた場合はハモリとFXのパンを調整してもOK!逆にパンが狭すぎるとダブって聴こえるので、注意してください。
以上でハモリの処理は完了です。お疲れ様でした!
おまけ:より細かい処理をしたい場合
1本のハモリを左右に広げた場合の、音源への馴染ませ方や細かいテクニックをご紹介します。
ハモリを馴染ませるテクニック
- 左右に広げると、声の低音〜基音部分が強調されがち。その場合、EQで200〜600Hz周辺を下げると良いです。
- 声が飽和していると感じる場合はリバーブを抑えめにしてみる。
- ハモリを全体から聞かせたい場合は、中央にもう1本ハモリを複製する。ほぼ確実に声が飽和するのでEQ処理が超重要。
以上になります。
僕もテクニック1は頻繁に行うことがあるので、もし馴染みが悪いと感じる場合は試してみると良いかもしれません。
さいごに
ここでは、Studio Oneを使って1本のハモリから左右に広げる方法について記載しました。
技術としてはそこまで難しくないかと思いますので、セルフミックスに挑戦している歌い手さんやMIX師を目指している方はぜひ習得して欲しい技術です。
今後ともボーカルミックスに必要な特殊加工を記載していきますので、何卒よろしくお願いします。
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★★この記事を書いた人★★
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ひろ
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