「ボーカルをミックスをしてみたいけどやり方が分からない・・・」
そんなミックス初心者の方や歌い手さんに向けた本格的なボーカルミックスのやり方を、現役のMix師(主にボーカルをミックスするエンジニア)として活動している僕(ひろ)が実践的に解説します。
そもそもミックスって何?
という方でも全く問題ありません。
順番に読んでいけば、誰でも手軽にボーカルミックスができるようになり、音楽制作を楽しめるよう分かりやすく解説していきます。
具体的にどう分かりやすいのかというと、
- 門用語はできるだけ少なく、頻出の用語は解説
- 図解多めで、実際にミックス前後の声を聞き比べながら
- できるだけお金を使わずに本格的なボーカルをミックスする方法
を教えます。
MIX師兼ブロガーとして活動しているひろです。よろしくお願いします!
【STEP1】そもそもミックスってなに?
まず最初に、「ミックスの意味もわからん!」という方に向けて書いていこうと思います。
「もう知ってるよ」という方は「4.ミックスを始めよう!」に飛んでいただいてOKです。
また、最初から完璧に理解できなくても「なんとなくこう言うものなんだな」と感じ取ることができれば十分ですので、軽い気持ちで読んでください。
ミックスとは音と音を混ぜること
音楽制作におけるミックスについて一言で説明すると、「音と音を混ぜること」です。ここで言う「音」とはドラムの音、ギターの音、歌声、ベースの音などこれらの音全てを指します。
例えば、バンド活動において「曲を作りたい!」となると、スタジオや自宅で楽器や歌を録音することになります。
しかしこれらの音を録音しただけでは、各パートの音量がバラバラで、曲として成立しているとは言い難いです。
つまり、これらの録音した各パートの音量を調整・加工して曲として成立させていく過程を「ミックス」と言います。
ミックスを仕事としている人たちをミキサー、ミキシングエンジニア、Mix師って言います!
とてもざっくりと図で説明するとこんな感じです。
特にここでは歌ってみたのボーカルミックスについて解説しますので、この場合において
歌ってみたのミックスとは
カラオケ音源と歌声を馴染ませて、曲として完成させていくこと
を指します。
ミックスって必要な作業なの?
はい。超重要です。
これに関してはミックス前後の音源を聞いてもらった方が早いと思いますので、音量に注意して聞き比べてみて下さい。
ミックス前
ミックス後
(音源:YOASOBI/夜に駆ける)
いかがだったでしょうか?
ミックス後の方が直感的に「聴き心地がいい」と感じたのではないでしょうか。
このように、ミックスによってカラオケ音源と声を馴染ませたり、迫力を増したり、さらにハモリを作ることで、聴き心地良い形にして皆様のもとへ届けることができます。
【STEP2】DAW(ダウ)とボーカル補正ソフトを選ぼう!
ここでは、本格的なボーカルミックスを始めるために必要なDAW(ダウ)と、ボーカル補正ソフトの選び方について解説します。
ミックス技術を高めるほどDAWに必要な機能も多くなりますが、ここでは「本格的なボーカルミックスを行う上で最低限必要なスペック」をお話しします。
DAW(ダウ)って何?ボーカル補正って何?
DAWって何?ボーカル補正って何?と言う方に向けて簡単に説明します。
まず、DAW(Digital Audio Workstation)とは「パソコンで音楽制作をするためのソフトウェアの総称」です。
例えばYoutuberが使っている動画編集ソフトにはAdobeやFilmora、Final Cut Proなど色々な種類がありますが、音楽制作ソフトにも色々なものがあります。
それらの音楽制作ソフトを総称して「DAW」といいます。
次に、ボーカル補正とは「歌声の音程(ピッチ)やタイミングを変更すること」を指します。
例えばカラオケなどで採点を行う時に、採点バーが上部に出現し、そこで音程や歌うタイミングを確認すると思います。この時、外れた音程や外れたタイミングを正しい位置に直すことをボーカル補正といいます。
そして、ボーカル補正を行うソフトウェアのことを「ボーカル補正ソフト」といい、これはDAW上で操作することができます。
まとめると…
- DAW(ダウ):パソコンで音楽制作をするソフトウェアのこと
- ボーカル補正:歌声の音程やタイミングを直す作業のこと
コスパの高いDAW(ダウ)の選び方
ここでは初心者がミックスを始めるために必要なDAWの選び方ついて解説します。
ミックスを行う以上、DAWは必ず準備する必要があります。そして、一口にDAWと言っても色々なものがあります。
- Cubase
- Logie Pro X
- Pro Tools
- Studio One
- FL Studio etc...
上で挙げたものは世界中で主に使用されているDAWですが、これでも氷山の一角です。
ただ、新たに音楽制作を始めたい人ができるだけお金を使わずに本格的なミックスをする、という基準でDAWを選ぶなら、WindowsとMac問わずたった1つに絞られます
それは・・・
Studio One 6 Artist です!
Studio One 6 Artistを使用すれば、本格的なボーカルミックスを行うための最低限の機能が手に入ります。
価格も1万円と、DAWの中ではかなりリーズナブルなのでコストパフォーマンスも高いです。当ブログでもStudio One 5 Artistを用いてボーカルミックスを解説します。
「ダウンロード方法が分からない!」という方に向けた公式通販サイトからのダウンロード方法をこちらに記載しておりますので、ぜひご覧ください。
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参考Studio One 6 Artistをパソコンにインストールする方法を徹底解説
続きを見る
「そもそも何故Studio One 6 Artistが一番コスパいいの?」と気になる方は、こちらに主要DAWの価格・性能などを比べたものを記事にしておりますので、こちらも参考にご覧ください。
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参考値段と性能からコスパの良いDAWを選択する方法。重要なのはトラック数と安定感!
続きを見る
どのDAWにも付属している機能を使ってミックスしておりますので、すでにStudio One以外をお持ちの方でも理解できるよう解説しております。ミックスについて学びたい方は「4.ミックスを始めよう!」に飛んで大丈夫です。
ボーカル補正ソフトはどれが良いの?
ボーカル補正ソフトにも色々種類がありますが、個人的なおすすめは
Melodyne 5 assistant です!
Melosyneは、音楽業界の中でNo.1と言えるほど世界的に使用されております。
少しお高いですが、ボーカル補正をするには十分な機能が揃っています(上位モデルはさらに高いですが、assistantに最低限の機能は揃っております)。
下位モデルのMelydyne 5 essentialであればもう少しお安く購入できますが、本格的なボーカル補正を行うには機能的に不十分です。
Melodyneは買い切りだから、サブスクリプションで毎月支払う必要もなし!本格的はボーカルミックスをしたいならとりあえずこれだけ揃えておけばOKです!
【STEP3】音源の準備をしよう!
DAWと補正ソフトの準備ができたら、DAWを使って声を録音してみましょう。
「もう録音はできているミックスさせて!」という方はこちらから見ていただいて大丈夫です。
オフボーカル音源を準備する
まずはカラオケ音源をダウンロードする必要があります。
これは「ボーカルを抜いた演奏のみの音源」のことですが、歌ってみたを制作する場合、実際にカラオケ音源を聴きながら録音、ミックスすることになります。
非常に簡単にダウンロードできますので、こちらの記事を参考に挑戦してみてください。5分程度でサクッと準備できます。
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参考Youtubeやニコニコ動画でカラオケ音源の探し方。ダウンロード方法を解説
続きを見る
DAWで録音準備をして録音する
カラオケ音源がダウンロードできたら、録音を始める準備をしましょう。
簡潔に言うと、お使いのマイクやイヤホンヘッドホンをDAWに設定して、オフボーカル音源を追加するという作業になります。
この作業も画像でやり方を説明しておりますので、ぜひご覧になってください。
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参考Studio Oneで録音するまでの手順を解説!デバイスの設定が重要
続きを見る
「録音はスマホでしたいんだけど…」という方もいらっしゃると思いますので、スマホでの録音いついてもAndroidとiPhoneに分けて解説しております。ご確認ください。
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参考【2023年版】スマホ1台で歌ってみたを始めよう!無料録音アプリの紹介
続きを見る
「機材のことも知りたい!」という方は、おすすめの機材も紹介しているからこちらを見てね。
【STEP4】ミックスを始めよう!
前置きが長くなりましたが、いよいよミックスのやり方を解説していきます!
何度も申し上げますが、当ブログではミックス初心者や歌い手さんに向けたボーカルミックスについて詳しく解説していきますので、よろしくお願いします。
ミックスの流れと実践
当ブログはミックスするために必要なすべての過程をNo.1からNo.4に分けて解説しております。
ミックス解説の流れ
- メインボーカルのミックス方法(EQ、Comp、Reverbの使い方等)
- ボーカル補正(ピッチ補正、タイミング補正、歯擦音調整等)
- メインボーカルからハモリを作成(楽曲のキー判別、3度下・上ハモリへの理解)
- ハモリのミックス方法(EQ、Comp等を使った曲へのハモリ馴染ませ方)
現段階では「ナニソレ??」と感じる方もいると思います。
しかし、このブログでミックスに関する初歩的な部分は全て説明し、誤ったやり方でミックスを覚えないようサポートしていきますのでご安心ください。
以下の記事に、実践形式で男女別にボーカルミックスのやり方を、画像を用いて解説しておりますので、ぜひご覧ください!
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人気記事【女性編】初心者向け!本格的なボーカルミックスのやり方を実践的に解説します
続きを見る
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人気記事【男性編】初心者向け!本格的なボーカルミックスのやり方を実践的に解説します
続きを見る
男性と女性で重要ポイントが少し違うので、別々に解説しております。
ミックスに必要な用語が分からないんだけど・・・
失礼しました…。ミックスで使用する専門用語について解説します。
ミックスで使う言葉には、学校や社会では習わない特殊な言葉をたくさん使います。そこで、頻出用語を辞書のように「あいうえお順」で解説しておりますので、分からない単語が出たら索引から調べて下さい。
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参考【DTM・録音】専門用語辞典
続きを見る
初めての方は「どれが重要な言葉か分からない!」と感じると思いますので、ミックスにおいて特に重要な用語については「★」マークを付けております。「★」マークが付いている用語だけでも見ていただければ嬉しいです。
【質問箱】ミックスに関する質問まとめ
ミックスに関する質問、また気になると思うことををまとめましたので、ぜひご覧ください。
質問1:歌い手ってなに?Mix師ってなに?
歌い手とは、広い意味ではカラオケ音源に自らの声を載せて動画配信サイトに投稿している人です。
Mix師とは、主にボーカルをミックスするサウンドエンジニアです(個人見解)。
そのため、歌い手は自らの歌のミックスをMIX師に依頼し、MIX師が作品にした音源を動画配信サイトに投稿するという一連の流れが確立されています。
質問2:お金を全く使わず(無料で)ミックスはできないの?
結論から言うと、ミックスすることはできます。
しかし、無料のDAWやボーカル補正ソフトでは、当ブログに沿う「本格的なミックス」を行うことはできません。特にボーカル補正は無料ソフトではほぼ全くできません。
なので、本格的なミックスができるようになりたい!と考えるなら当ブログの実践講座で使用しているDAWやソフトは最低限必要になります。
質問3:高い機材を使っているからミックスも綺麗なんでしょ?
全くそんなことはないです。むしろ初めての方でも極力揃えやすい価格の機材で録音、ミックスしております
気になる方は以下の記事をご確認ください
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参考【一式10万円以下】自宅での録音(宅録)におすすめ機材と録音環境を紹介します
続きを見る
質問4:ミックスが上達しない!たすけて!
ミックスは勉強のように目に見えて結果が分かるものではないので、一概に「上達している」とは感じづらいですよね。
そんな時は、
- 最低50曲くらいミックスしてみる
- ミックスした曲について、第三者の歌い手さんやMIX師に率直な意見を聞く
これらを試してみると、今まで見えてこなかった自分の課題が見えてくるようになると思うので、ぜひ試してみてください
【さいごに】とにかくミックスを楽しもう!
みなさまの大切な時間を割いて、ここまで見てくださってありがとうございました。結局僕がこのブログを通じて何が言いたいのかと言うと、
「たくさんミックスについて知ってもらい、たくさん音楽を楽しんで欲しい!」これだけです。
正直、音楽制作におけるミックスという作業はかなり大変です。
数ヶ月で習得できるものではありませんし、数年ミックスしても分からないことがたくさん出てきます。
僕は2017年から音楽制作(DTM)をしてるけど、それでも初めて知ることがたくさんあるよ
しかし、このブログを読んで「今までできなかったこと、やってみたかったこと」そんなことができるようになれば、これほど嬉しいことはありません。
少しでもミックスについて理解を深め、みなさまがクリエイティブな音楽制作を楽しめることを心から願っております。
★★この記事を書いた人★★
ひろ
2021年2月よりミキシングエンジニア(MIX師)として活動を始め、300件以上の作品を手がけました。
音楽制作(DTM)は2017年から始めました。
そんな僕が、誰でも「歌ってみた」や「ボーカルミックス」を楽しんで欲しいと考え、このサイトを作りました。
それ以外にも、レビューや健康、体験談など幅広く記事にしておりますので、ぜひ見ていただければ嬉しいです。
詳しいプロフィールはこちら
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