どんなにネットで検索しても、楽曲のテンポ(BPM)が分からない時ってありますよね。
そんな時は、お持ちの楽曲をDAWに取り込み、DAW付属のメトロノーム機能を使うことで楽曲のテンポを判別することができます。しかも、楽曲とDAWのテンポを合わせることができれば、歌ってみたの録音、ミックス作業を有利に進めることができるので一石二鳥です。
そこでここでは、楽曲のテンポをDAWを使って判別する方法を解説します。
ひろです。MIX師兼ブロガーとして活動しております。
使用DAWの確認
当ブログでは、Studio One 5 ArtistというDAWを使って解説していきます。
Studio Oneの最新バージョンは現在6ですが、使用する機能は5と変わってないので、Studio One 6 Artistでも同じように理解できます。
- Studio One 6 Artist -
しかし、Studio Oneにしかない機能は一切使用しません。どのDAWでも再現できる内容となっておりますのでご安心ください。
Studio Oneを試してみたいという方はダウンロード方法も記載しているので、ぜひご確認ください。
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参考Studio One 6 Artistをパソコンにインストールする方法を徹底解説
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ゴリ押しで調べていくしかない
タイトルでネタバレしてますが、ゴリ押しで楽曲のテンポとDAWのテンポを合わせていくしか無いです。つまり、気合さえあれば誰でも出来ますのでその方法を解説します。
僕の音源では「YOASOBI/夜に駆ける」のテンポをDAWに合わせていきます(ネット検索で出てきますが、分からない体で進めます)
ゴリ押しで合わせていく方法
まず、DAWに音源をそのまま挿入して、縦に拡大しておきます。
音源を再生して、キック(バスドラム)の音をよく聞いて「拍」を数えます。
キックとは、感覚的に頭の中で「1、2、3、4」と拍を数えているときに曲の中で「ドゥン、ドゥン、ドゥン、ドゥン」と重低音で響いている音です。
またこの音は、音源の波形を見た時に上下に大きく出っ張っていることが多いです。
このキックの音の1拍目を、DAWの1拍目に合わせます。合わせる時はDAWを左右に拡大して、近くのDAWの1拍目に合わせます。
僕の作業音源では、DAWの6小節目の1拍目が近いので合わせていきます(①、②、③、④は拍子)。
↓
スナップが効いて合わせづらい場合は、中央右のスナップ切り替えを「オフ」にしたら綺麗に合わせやすいです。
キックを合わせた後に見て欲しいのが、6小節目とキック①は綺麗に揃っていますが、7小節目とキックの1拍目(①)は揃っていないことです。
よく見るとバスドラム①が7小節目よりも赤色の分だけ前に出ているのが分かると思います。
つまりこの曲はBPM120よりも赤色の分だけ早い、つまりテンポを早める必要があるということが分かります。
反対にバスドラム①が7小節目より後ろにあると、テンポを遅くする必要があります。
それではテンポを早めていくのですが、ここで注意して欲しいのは、テンポを動かすと6小節目の頭も動いてしまうことです。
なので、テンポをある程度調整したら必ず揃えなおすようにしてください。
これをちまちま繰り返して、楽曲のテンポがDAWのテンポと合うところをゴリ押しで合わせていきます。
もしキックの音だけで合わせづらい場合は、DAWのメトロノーム機能も活用すると良いです。
僕の作業音源でテンポを調整したところ、129.00で揃うことが分かりました。
この状態で、楽曲の後半(楽曲の後半でテンポを合わせてた方は楽曲の前半)まで移動します。
これは、設定したテンポが少しでもズレていると、徐々にズレが激しくなって、設定したテンポと楽曲のテンポが合っていないことが分かるからです。
実際に見てみると、108小節目付近で明らかにDAWのテンポが楽曲に合っていないことが分かりました。
つまりこの曲のテンポは129ではありません。
しかし前半部分は綺麗に合わせているので、恐らくテンポが1か2程度ズレているなということが分かります。
ここから更に以下の手順を行います。
細かく調整する手順
- テンポを上または下に1だけずらす。
- ズレていると確認できた部分で、キックの鳴り始めとDAWの拍を合わせる。
- 最初に合わせた部分に戻って、ズレていないか確認する。
以上の手順で進めていきます。
それではテンポを上または下に1だけ動かす場合を、それぞれ分けて解説していきます。
①テンポ128の場合
DAWのテンポを128にして、キックの鳴り始めとDAWの小節を合わせます。
すでにちょっとズレている感じもありますが、念のため最初に合わせた6小節目付近に移動します。
確認すると案の定ズレていたので、この曲のテンポは128ではないと分かります。
②テンポ130の場合
DAWのテンポを130にして、キックの鳴り始めとDAWの小節を合わせます。
最初に合わせた6小節目付近まで戻ると、DAWの小節とキックの鳴り始めが問題なく一致しておりました。
つまり、テンポが130だと曲の前半後半ともに、キックの鳴り始めとDAWのテンポが合っているので、この楽曲のテンポは130で間違いないと言えます。
因みにネットで検索すると夜に駆けるのテンポは130と書いておりましたので、これで完了です。
さいごに
ここでは、テンポが分からない楽曲をDAWを使ってテンポを判断する作業を解説しました。
今回テンポ把握に使用した「夜に駆ける」は、比較的簡単にテンポを合わせやすい楽曲だと思います。
しかし楽曲によってはキックの拍が分かりずらかったり、波形が海苔のようにべったりとしていて突出している部分がない場合もあります。
その時は以下の内容で進めていただければと思います。
キックでは判断できない場合
- サビの始まりや歌の始まりなど、とにかく1拍目になるところを探す。
- メトロノームを起動し、DAWの1拍目と合わせる。
- DAWのテンポを変えて、メトロノームの音と楽曲の拍を合わせる。
初めのうちはかなり大変だと思いますが、繰り返しやっていると徐々に慣れてくると思います。もはや楽曲を聞いただけでおおよそのテンポが分かるようになります。
基本はネットを調べたらテンポが分かると思いますが、もし分からない楽曲に出会った場合はぜひ試してみてくださいね。
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★★この記事を書いた人★★
ひろ
2021年2月よりミキシングエンジニア(MIX師)として活動を始め、300件以上の作品を手がけました。
音楽制作(DTM)は2017年から始めました。
そんな僕が、誰でも「歌ってみた」や「ボーカルミックス」を楽しんで欲しいと考え、このサイトを作りました。
それ以外にも、レビューや健康、体験談など幅広く記事にしておりますので、ぜひ見ていただければ嬉しいです。
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