
「DTMを始めたけどミックスが何かよく分からない」
「歌ってみたもミックスしなくちゃいけないの?」
そもそも「ミックス」が何か分からないとこのような疑問を感じると思います。そこでここでは、音楽制作におけるミックスについて解説していきます。

MIX師兼ブロガーとして活動しているひろが解説します。
ミックスとは?

音楽制作におけるミックスについて一言で説明すると、「音と音を混ぜること」です。
ここで言う「音」とはドラムの音、ギターの音、歌声、ベースの音などこれらの音全てを指します。
例えば、バンド活動において「曲を作りたい!」となると、スタジオや自宅で楽器や歌を録音することになります。しかしこれらの音を録音しただけでは、各パートの音量がバラバラで、曲として成立しているとは言い難いです。
つまり、これらの録音した各パートの音(トラック)を音量を調整・加工して曲として成立させていく過程を「ミックス」と言います。
ミックスとは…
- 音と音を混ぜること
- 各トラックの音量を調整・加工して曲として成立させていく過程

ミックスを仕事としている人たちをミキサー、ミキシングエンジニア、Mix師って言います!
整理した内容を図でざっくりと説明するとこんな感じです

歌ってみたでもミックスは同じ意味?
当ブログは「歌ってみた」に特化したブログであるため、その場合のミックスについても解説します。
とは言っても、歌ってみたのミックスも「ミックスとは?」で解説した内容とほとんど同じです。ただ、歌ってみたの場合、完成したカラオケ音源に対して歌を馴染ませるというのがミックスになります。
つまり、カラオケ音源に対して、録音した歌声を加工・編集して曲として成立していく過程が歌ってみたのミックスです。
歌ってみたにおけるミックスとは…
カラオケ音源に対して、録音した歌声を加工・編集して曲として成立していく過程
ミックスの重要性
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実際にミックス前後の音声を聞くことで、ミックスの重要性を理解できると思います。
以下に掲載している音声は、「歌ってみた」で使用した音声のミックスになりますので、音量に注意して聞いていただければ嬉しいです。
ミックス前
ミックス後
(音源:YOASOBI/夜に駆ける)
いかがだったでしょうか?
ミックス後の方が直感的に「聴き心地がいい」と感じたのではないでしょうか。
このように、ミックスによってカラオケ音源と声を馴染ませたり、迫力を増したり、さらにハモリを作ることで、聴き心地良い形にして皆様のもとへ届けることができます。
ミックスに必要なもの

それではここで、音楽制作においてミックスするために必要な機材をご紹介します。
重要度を★の数(最大5つ)で示しておりますので、もし持っていないものがあれば目安にしていただきたいです。
DAW(星:★★★★★)

DAW(Digital Audio Workstation)はパソコンで音楽制作するために必須のソフトウェアです。
もはやこれがないと何も始まりません。
もし「まだ何も始めてないよ」という方がいればとりあえずDAWを買ってください…!!しかし、

種類が多すぎてどれを選べばいいか分からないよ…
という方も中にはいらっしゃるかと思います。
そんな方は個人的に最もコスパのいいDAW「Studio One Artist」をお薦めします。

1万程度で購入できる上、DAWに付属する機能も多く、そして機能制限がほとんど無いという、とても魅力的なDAWです。
そのコストパフォーマンスの高さはこちらでも解説しておりますので、気になる方はぜひご一読ください。
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参考値段と性能からコスパの良いDAWを選択する方法。重要なのはトラック数と安定感!
続きを見る
また「初めてだからインストールする方法が不安」という方に向けて、Studio One Artistのダウンロード方法も解説しておりますので、併せてご覧ください
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参考Studio One 6 Artistをパソコンにインストールする方法を徹底解説
続きを見る

無料のDAWもあるけどどうしても制限が多くてイライラすることが…ストレスなく音楽制作を楽しむためにも優秀なDAWを選んでおくと間違いないよ。
ヘッドホン(星:★★★★☆)

すでに普段使いのイヤホンやヘッドホンをお持ちの方はそれを使用してミックスすることができますが、ミックス専用のヘッドホンを使った方が圧倒的に上達が早いです。
そのためにはミックス専用の「モニターヘッドホン」を使用する必要があります。理由は、ミックスで必要な音の聴き方は「全ての音が、いかにフラットに(低音も高音もボーカルもバランスよく安定して)聞くことができるか」であるためです。
モニターヘッドホンにもさまざまな種類がありますが、個人的には「業界No,1」である「SONY / MDR-CD900ST」をお薦めします。

プロの現場でもよく使用されており、これ以上のコスパの良いヘッドホンはありません。
「THE FIRST TAKE」でプロのアーティストがつけているヘッドホンをよく見ると、こちらを付けていることが多く確認できます。

正直もうこれ以上言うことがないくらい、音楽制作においては当たり前過ぎるヘッドホンなので、まだお持ちでない方はこちらを選んで間違い無いです

イヤホンジャックじゃないから、PCに直接繋げないことに注意です。このヘッドホンを使うにはオーディオインターフェイスとの併用が必要になります。
オーディオインターフェイス(星:★★★★☆)

オーディオインターフェイスは、音楽制作する時や声やギターを録音する時の音の出入り口になります。
「PCに直接イヤホン、マイクを挿しても録音、再生できるじゃん!」と思うかもしれませんが、オーディオインターフェイスを使用することで圧倒的に音が良くなります。
特にミックスする場合においては、綺麗な音が聞けないと、何をどうやって加工・編集したらいいか分からなくなるので、ほぼ確実に持っておいて損はないです。
オーディオインターフェイスも種類が多すぎてどれをいいか悩むかもしれませんが、個人的には「Solid State Logic/SSL2」をお薦めします。

値段が少し高め(約3万円)なので、コスパがとても良いとは言い難いですが、それでもこの価格で実現している音質やノイズの少なさが十分過ぎるので、ハズレることはないです。
また、「歌ってみた」を始めたい方、高音質で録音したい方にも遅延の少ない良機です。
入門としては少しお高いですが、値段分の価値は絶対にあるのでぜひこの機会にご検討ください。

とは言われても、もう少し安いのがあれば…
と感じる方もいるかと思いますので、その場合には「STEINBERG UR12」を選びましょう。
1万円ちょっとでパソコン直差しとは違う音質の良さを感じ取ることができるので、エントリーモデルとしてはとても良い機種です。
外部プラグイン(星:★★★☆☆)

外部プラグインとは、DAWの機能を拡張するために、DAW以外から追加したソフトウェアです。
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参考音楽制作でよく使われる「プラグイン」とは?今さら聞けないDTM用語の解説
続きを見る
音楽制作を行うためには「ソフト音源」と「エフェクト」を使用する必要がありますが、これらはDAWを購入した時に付属しております。
しかし、付属のプラグインでは再現できない音色や追加効果もたくさんあるので、これらを補填するためにネットから購入する必要があります。

外部プラグインは持ってなくてもミックスはできるから、最重要ではないです。
もし、ミックスのためにどうしても外部プラグインを導入してみたいという方がいましたら「IK Multimedia T-RackS 5」をお薦めします。
ミックスに必要なさまざまなエフェクトを収録しており、実機をシュミレートしたものも多いので実用性が非常に高いです。
※サウンドハウスは売り切れておりました…
他にも「ボーカルの歌を綺麗に直すプラグインが欲しい」という方には「Melodyne 5 assistant」を強くお薦めします。

Melodyneであれば、声のピッチ(音程)やタイミングの編集を行う際、とても自然に直することができます。
歌ってみたを投稿したい人やボーカルを含む楽曲を作曲している方には必須のプラグインですので、ぜひ検討してみてください。
Melodyneについては、機能や実際に使ってみた記事も書いておりますので、もし良ければご覧ください。
▼Melodyneの使い方・機能を解説した記事
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参考ボーカル補正ソフトMelodyne(メロダイン)とは?画面の見方や機能について解説します
続きを見る
▼Melodyneでボーカル補正をした記事
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参考【男性編】初心者向け!Melodyneを使ったボーカル補正のやり方を解説します
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参考【女性編】初心者向け!Melodyneを使ったボーカル補正のやり方を解説します
続きを見る
マウス(星:★★☆☆☆)

音楽編集作業をしていと、どうしても長時間のPC作業になってしまいます。
長時間のPC作業は疲労が蓄積しやすいですが、特に気をつけなければならないのが「腱鞘炎」です。特にPC作業中に感じる手首の痛み、腕の痺れなどは「マウス腱鞘炎」を呼ばれ、放置しているとPC作業が困難になります。

僕も過去にマウス腱鞘炎になったけど、その間ミックスができなくなってしまいました…
これを解消するには、マウスを見直すしかありません。
個人的なオススメのマウスは「Kensington スリムブレード」です。

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参考【腱鞘炎に悩まない】ケンジントンのスリムブレードを1年間使用したレビュー
続きを見る
現在、僕も使用しているマウスなのですが、何時間作業しても全く痛みを感じることがなくなりました!
見た目、操作ともにクセのあるマウス、そして値段も安くは無いですが、慣れたら他のマウスには戻れないので、気になる方は購入検討してみてください。
さいごに
ここでは「ミックスとは?」「ミックスの重要性」「ミックスに必要なもの」を解説しました。
一見すると音と音を混ぜるだけと聞くと簡単そうに聞こえるかもしれませんが、その実態は奥が深く、とても魅力的な作業です。
難しいと感じる場面もあるかもしれませんが、この記事を参考にミックスを楽しんでいただけると嬉しいです。
★★この記事を書いた人★★

ひろ
2021年2月よりミキシングエンジニア(MIX師)として活動を始め、300件以上の作品を手がけました。
音楽制作(DTM)は2017年から始めました。
そんな僕が、誰でも「歌ってみた」や「ボーカルミックス」を楽しんで欲しいと考え、このサイトを作りました。
それ以外にも、レビューや健康、体験談など幅広く記事にしておりますので、ぜひ見ていただければ嬉しいです。
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