
ここでは、音楽制作やミックス現場でよく使用される「ディレイ」というプラグインについて解説します。
主に「ディレイとは?」「どんな機能があるの?」「どうやって使ったら良いの?」という疑問について、実際プラグインを見ながら解説します。
この記事で学べること
- ディレイそのものについて1から勉強
- DAW搭載のディレイの見方、学習方法
- ディレイとリバーブの違い

MIX師兼ブロガーとして活動しているひろが解説します。
Delay(ディレイ)とは

既に記事タイトルでも述べたとおり、ディレイは「やまびこ効果」を与えることができる機能です。山で「ヤッホー」と叫ぶと、数秒後「ヤッホー」と返ってくるあれです。
ディレイによって、「ヤッホー」と返ってくるまでの時間や回数、またその範囲などを指定することができます。
DAW搭載のディレイの見方と機能説明
それでは実際にStudio Oneに搭載されているディレイ(Beat Delay)を用いて、その使い方や名称を説明します。

このディレイに搭載されているその機能は、その他全てのプラグインにも大体備わっているので、他のプラグインでも理解できます(名称が異なる場合あり)
ここでは特に重要なパラメーターを解説します。
もし中央に「MONO CHANNEL」と表示されている場合は、トラックをステレオにしてください。
Beats(ビート)とOffset(オフセット)

Beatsは楽曲の「拍」と連動してディレイを生み出します。例えば「1/4」であれば1拍で1回、「1/2」であれば2拍で1回ディレイの効果が得られるという機能です。
OffsetはBeatsと連動しており、Beatで設定したタイミングから少しずらしてディレイを発生させることができます。単位はミリ秒です。
Feedback(フィードバック)

Feedbackは、ディレイを生み出す割合を表します。簡単に言うと、ディレイを与える回数(「ヤッホー」と何回繰り返すか)を制御できます。
Modulation(モジュレーション)

超ざっくりと解説すると、ディレイを左右に散らすことができます。その際、特に重要となる項目だけ説明します。
- Ping-Pong:「Sum」または「2-Ch」に設定することで、左右に散らすことができます。また「Swarp」をオンにすることで、左右どちらからディレイを始めるかを変更できます。
- Width:左右に散らす幅を変更できます。最大付近まで回すと、より左右への広がりが大きくなります。
- Pong-Factor:ディレイを与えるリズムを変更できます。付加する効果のノリが変わります。
以上の3つはディレイを作成する時に重要な項目ですので、ぜひご自身で動かしてその変化を体験して欲しいと思います。
Color(カラー)

ディレイの音色を決めることができます。Low Cutは設定した周波数より下の周波数をカット、High Cutは設定した周波数より上の周波数をカットすることができます。
MIX(ミックス)

ディレイ前の音声とディレイ後の音声を出力する割合を決めることができます。Mixを0にすると、ディレイ効果は実質無くなり、100にするとディレイだけが出力されるようになります。
ディレイとリバーブ(Reverb)の違い

ディレイと同じく、音源に対して残響を与える効果を生み出す機能に「リバーブ(Reverb)」があります。
リバーブで生み出す残響とは、コンサートホールやトンネルなどで、元の音が消えてもふわっと余韻が残る効果のことを言います。ディレイのやまびこ効果とは違うので注意が必要です。
もしリバーブについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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参考Reverb(リバーブ)とは?標準エフェクトを用いて分かりやすく解説&使い方を教えます
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ディレイの学習方法
闇雲にツマミを動かしても「どうすれば??」と思う方もいると思いますので、学習法について簡単に解説します。
ディレイの学習に重要なことは2点あって
- 理想の形にしたいディレイの音源を聴き込む
- プリセットを使って類似する効果を探し、そこから理想の音源に近づける
以上の2点です。
まず、DTMを始めたばかりの方がディレイをいじるのはかなり難しいと思ってください。そのため、自分の思い描く「こうしたい」に近づけるより、「この音源のディレイを試したい」というやり方の方がディレイによる音の違いを耳で確認できるので理解しやすいです。
その上でプリセットを活用して、理想の音源に近いものを探してください。左上「default」と書かれたプルダウンをクリックすることでプリセットを閲覧でき、いずれかを選択することでその状況に合わせたディレイに変化します。

最初はプリセットを使っても不明点が出てくると思いますが、何度も使っているとコツをつかめるようになるので、色々挑戦してみると発見もあり面白いと思います。
さいごに
ここでは、ディレイの使い方や学習方法について書いてきました。
上でも書いた通り、ディレイは慣れるまでかなり難しいプラグインです。耳で聞き分けられるようになり、実際に楽曲の中で一番良い形に設定できるようになるにはかなりの時間がかかると思います。
今後、より実践的なディレイの使い方も紹介できればと思いますので、気になる人はそちらもぜひ楽しみにしていただければ嬉しいです。
ここまで見てくださりありがとうございました。
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参考【DTM・録音】専門用語辞典
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★★この記事を書いた人★★

ひろ
2021年2月よりミキシングエンジニア(MIX師)として活動を始め、300件以上の作品を手がけました。
音楽制作(DTM)は2017年から始めました。
そんな僕が、誰でも「歌ってみた」や「ボーカルミックス」を楽しんで欲しいと考え、このサイトを作りました。
それ以外にも、レビューや健康、体験談など幅広く記事にしておりますので、ぜひ見ていただければ嬉しいです。
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