音楽制作においてボーカルを処理する際、ディエッサー(DeEsser)は頻繁に使うプラグインです。
今回はディエッサーそのものについていから解説するとともに、ディエッサーの一般的な使い方を解説します。そこまで難しいプラグインではありませんので、ぜひ見ていただければ幸いです。
この記事で学べること
- ディエッサーについて1から学ぶ。
- DAW内蔵のディエッサーの一般的な使い方。
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ディエッサーとは、歯擦音を調整できるプラグイン
ディエッサーについて一言で説明すると、歯擦音(しさつおん)を調整できるプラグインです。
そもそも歯擦音とは、歯と歯を擦る時に発生するノイズのような音です。主に「さ行」を発音する時に発生します。
この歯擦音、ボーカリストによってはかなり大きく発生してしまい、楽曲全体の雰囲気に馴染まないという問題が発生する可能性があるので、それを抑えることができるのがディエッサーというプラグインになります。
歯擦音が大きい時、音楽関係者の間では「歯擦音が刺さる」と言います。
DAW搭載のディエッサーを紐解く
ここでは実際にDAW搭載のディエッサーを見ながらその機能解説を行います。今回はLogic Pro Xに搭載されているDeEsser2を用いて解説します。
ここでは、ディエッサーの中でも重要な3つのパラメーターを解説していきます。Logic Pro X付属のディエッサー以外でも必ずあるパラメーターですので、他のディエッサーを見ながらでも大丈夫です。
Threshold(スレッショルド)
Thresholdは、設定値を超える音量の歯擦音が検出された時、それ以上の歯擦音を軽減することができます。つまり値を小さくすればするほど歯擦音を軽減することができます。
しかし、小さくしすぎると通常の歌声も軽減される恐れがあるので注意が必要です。
Reduction(リダクション)
Reductionは、軽減させる音量の限界値を決めることができます。
例えば、歯擦音がThresholdの設定値より10dB超えていたとします。このとき、Reductionの設定値が10dB以上であれば歯擦音は10dB軽減され、Reductionの設定値が5dBであれば、歯擦音は5dBしか軽減されません。
Reductionを活用できれば、トラック全体の歯擦音の上手く調整することができます。
Frequency(フリークエンシー)
Frequencyは周波数を調整することができます。歯擦音は主に7〜10kHz付近に発生することが多いので、その周辺で最も歯擦音が発生しているポイントを探し、ピンポイントで軽減させることができます。
プラグインによっては低周波数帯までFrequencyを移動させることができるので、歯擦音以外の目立った音域を検出することもできます。
以上、ディエッサーを使用する上で特に重要となる3つのパラメーターを紹介しました。ここで紹介したパラメーターを理解しておけば、基本的な使い方は問題ないと思います。
さいごに
ここではディエッサーとは?そしてプラグインとして使用する上で重要なパラメーターを解説しました。
ディエッサーを上手に使ってあげることで、ボーカルの歯擦音を調整でき、楽曲全体への馴染みを良くすることが可能になります。
まずはプリセットを使用してディエッサーによる声質の変化を楽しみながら、自分でパラメーターを動かせるようになるよう勉強していただければ幸いです。
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参考【DTM・録音】専門用語辞典
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★★この記事を書いた人★★
ひろ
2021年2月よりミキシングエンジニア(MIX師)として活動を始め、300件以上の作品を手がけました。
音楽制作(DTM)は2017年から始めました。
そんな僕が、誰でも「歌ってみた」や「ボーカルミックス」を楽しんで欲しいと考え、このサイトを作りました。
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