実践レッスン Studio One

【女性編】初心者向け!Melodyneを使ったハモリ作成方法を解説します

2022年1月9日

「ハモリを歌うのは難しいから作成したい」

「3度下や5度上などのハモリの定義がよくわからない」

そんな方々のために、現役でMIX師をしている僕がハモリ作成のやり方を実践形式で丁寧に解説します。

実際に僕がミックスした音源を聴き比べながら、画像もりもりで解説していきますので、安心してご覧ください!

この記事で学べること

  • 歌ってみた投稿に必要なハモリ作成技術
  • キーの判別方法や音楽理論の基礎知識

また、当記事は素音源からミックス完成まで記載しておりますが、1つの記事にまとめると膨大な量になってしまうので、No.1〜No.4の四部構成で解説しております

No.1、No.2の続きになるので、まだ読んでない方は以下をご確認ください

参考【女性編】初心者向け!本格的なボーカルミックスのやり方を実践的に解説します

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参考【女性編】初心者向け!Melodyneを使ったボーカル補正のやり方を解説します

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ハモリ作成ではなくハモリのミックス方法について知りたいと言う方はNo.4をご覧ください

参考【女性編】初心者向け!ハモリのミックス方法を実践的に解説します

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ひろです!難しい言葉や専門用語はその都度解説するから、安心して見てね。

ハモリ作成に入る前に

本講座では、Studio One 5 ArtistというDAWと、Melodyne 5 assistantというボーカル補正ソフトを使って解説していきます。

Studio Oneの最新バージョンは現在6ですが、使用する機能は5と変わってないので、Studio One 6 Artistでも同じように理解できます。

- Studio One 6 Artist -

- Melodyne 5 assistant -

定番ピッチ補正ソフトウェア。直感的なボーカルの補正等を実現します。

DAWに関してはMelodyneを起動できるものであれば再現可能です。

Melodyneもどのシリーズでもハモリ作成は可能ですので、もしassistantをお持ちで無くても理解できる内容となっております。

参考Studio One 6 Artistをパソコンにインストールする方法を徹底解説

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ハモリ作成を始めよう!

それではハモリ作成を始めます

ではまず「ボーカル補正(No.2)」からハモリを作成することでどれだけ音源に変化があるかぜひお聞きください

音量に気をつけながら、イヤホンもしくはヘッドホンで聴いてください!

ハモリ作成前(No.2終了時)

ハモリ作成後

楽曲:YOASOBI/夜に駆ける

このように、Melodyne 5 assistantを使用すれば問題なくハモリを作成することができます

それではハモリ作成後の音源に至るまでの過程を解説していきますので、よろしくお願いします!

楽曲のキーを判別する

ハモリを作成するためにはその楽曲のキーを知る必要があります。

キーについて簡潔に説明すると、楽曲を構成するために使用する音のまとまりという意味になります。この音のまとまりは、「Cメジャー」や「Dマイナー」など、特定の規則に従っております。

この「Cメジャー」や「Dマイナー」のことを楽曲のキーと言います


「そんな簡単な説明じゃ理解できないよ!」という方は、キーについて詳細な説明をした記事がありますのでそちらをご覧ください

参考【早見表あり】音楽でよく聞く「キー」とは?初心者でも分かりやすく解説します

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楽曲のキーを判断する方法

現段階で可能な楽曲のキーの判断方法は全部で4つあると考えており、僕もその4つの方法を駆使しております

ではその4つの方法が何かというと(内は正答率)

楽曲のキー判断方法

  • ネット検索(95%)
  • Aメロやサビなどの、歌い始めの音程(70%)
  • 歌い終わりの音程(80%)
  • 音程が半音で変化している場所(90%)

これらの方法を駆使することで、判別することができます

いろいろな方法を記載しましたが、正直に言うと大体の楽曲はネットで「曲名 Key」など検索すれば出てきます(笑)

今回僕が使用している「YOASOBI/夜に駆ける」もネットで検索するとすぐに出てきました。

「YOASOBI/夜に駆ける」
2回転調する難しい楽曲なのですが、問題なくネット検索で調べることができたので、念のため掲載しておきます

曲中の場所その時のキー
歌い出し〜「君は初めて笑った Ah...」E♭メジャー
「騒がしい日々に」〜「君の笑顔に溶けてく Ah...」Dメジャー
「変わらない日々に泣いていた僕を」〜終わりまでFメジャー

もし仮に、「ネットで検索しても載ってなかった」と言う楽曲に出会った方は、それ以外の判断方法について別の記事で詳しく書きましたので、ぜひご確認ください

参考ネット検索でキーが分からない!ボーカルのメロディーだけでキーを判断する方法を教えます

続きを見る

楽曲のキーに合わせた音のまとまりを知る

ネット検索でキーが分かっても「じゃそれをどうやって使うの?」という方もいると思いますので簡単に解説します。

楽曲のキーが分かることで、その楽曲において主に使用されている7種類の音を知ることができます

例えば、僕が本解説ででミックスしてきた「夜に駆ける」の使用部分のキーは「Fメジャー」になります

そして、キーがFメジャーの曲は必ず「ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ」の7種類の音を主に使用します

また、Fメジャーの楽曲は「ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ」の7種類の音を主に使用するという事実は、夜に駆ける以外のFメジャーの楽曲でも同じです

つまり、楽曲のキーよって使用される7種類の音は、どのキーでも共通して存在しており、このルールから外れることはありません

まとめると

  • 楽曲のキーは、主に7種類の音で構成されている(キー=Fメジャーの場合、ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ)
  • キーが同じ楽曲なら、同じ7種類の音が使用されている

また、キーとその7種類の音程がすぐ分かるよう以下にまとめてみました。

ご自身でミックスされる楽曲のキーに合うものを見つけ、対応表から音程の確認してみてください。

- キーがメジャーの場合 -

- キーがマイナーの場合 -

そして楽曲のハモリは、各キーで使用される7種類の音程から基本的に外れないように作成するのがポイントです

楽曲のキーが分かれば対応表から7種類の音程が分かるから、これらの音程をハモリで使います!

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Melodyneでハモリを作成しよう!

楽曲のキーと音程が分かったら、早速ハモリを作りましょう。

因みに今回僕が作成するハモリは「3度下ハモリ」と言うものになります。これは邦楽のハモリの中でも最も一般的で、様々な楽曲で使用されております。

その他、「3度上ハモリ」もよく使用されるハモリですが、今回説明するハモリ作成方法が分かれば、さまざまな場面で応用できるようになります

メインボーカルトラックを複製する

ハモリを作成するためには、専用のトラックが必要です。

そしてそのトラックは、メインボーカルトラックを複製することで作ります。

方法はとても簡単で、メインボーカルトラックの画像オレンジ枠内で右クリックし、「トラックを複製(完全)」を選びます

すると、全く同じトラックが画面上に複製されます

これを使用してハモリを作成していきます。

そしてハモリトラックのインスペクターを開き、インサート欄にあるMelodyne以外をオフにすることで準備OKです(青い電源ボタンのようなものをクリックするとオフにできます)

ここまでできれば、実際にMelodyneを用いてハモリ作成をしていきます

メインボーカルと見分けがつかなくなるので、トラック名を変更しても大丈夫です!

ハモリを作成する

それではMelodyneを開いて、ハモリを作成していきます。

Melodyneを開いたら、ハモリを作成したい歌い始めまで移動します。

今回僕はYOASOBI/夜に駆けるのラスサビ「忘れてしまいたくて閉じ込めた日々に〜」からハモリを作成していきます

そして各ノートの音程を確認します

もし、しゃくりやビブラードによって、Melodyneだけでは音程確認がしづらい場合は、「ボーカル補正のやり方(No.2)」で作成したガイドボーカルを参考にすると良いです

この音程を、「3度下」に移動させます

ここで言う3度下とは、その曲のキーで使用される7種類の音から2個下がると言う意味になります

今回僕がハモリを作成する部分の曲のキーはFメジャーなので、Fメジャーで主に使用される7種類の音「ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ」の中で2個下に動かせば「3度下」と言う音程に移動できます

例えば、キーがFメジャーで音程が「ファ」とすると、その2個下(3度下)は「レ」になります

その他、キーがFメジャーで音程が「ド」とすると、その2個下(3度下)は「ラ」になります

このように3度下ハモリは、ある特定の音程からそのキーで主に使用される音程の2個下に移動させることで成立します

「3度上」の場合は反対に考えればOKです。キーがFメジャーで音程が「ド」とすると、その2個上(3度上)は「ミ」になります。

上記の内容を踏まえて、Melodyneの音程を3度下に移動します。

音程を移動するときは、Melodyneのピッチツールで行うことができます

ピッチツールに変更したら、各音程を3度下に移動します。

僕の作業音源はFメジャーの楽曲なので、画像のような音程に移動しました

因みに、元の音程こちらです

そしてこの時、作成したハモリだけを聞くとこのようになっております

音程が下がって男性っぽい声になっているな〜と言う印象ですが、作成したハモリはどうしてもこのような声になってしまうので大丈夫です。

みなさまが実践している楽曲のキーに合わせて3度下に下げることができれば、これでハモリ作成は完成になります

聴き比べてみよう!

では実際に作成したハモリをミックスした音源と合わせるのとどのように聞こえるか聴いてみましょう。

ハモリ作成前(No.2終了時)

ハモリ作成後

ボーカルの物足りなさや音楽的なハーモニーを補うことができ、とても豊かな雰囲気になったと思います

曲にもよりますが、ハモリの有無でその曲のダイナミックさや音楽的な美しさが変わってくるので、ぜひ様々なパターンを挑戦して欲しいと思います

【ちょい難】ハモリをさらに格好良く聴かせよう!

3度下ハモリ、3度上ハモリができるようになった時点でかなり十分なハモリ作成技術は身についておりますが、さらに格好よく聴かせる方法をお伝えします

今回作成した夜に駆けるの3度下ハモリは、音楽的には何も問題のないですが、一部しまりの悪い(本家とは異なる)部分があります。それは、

  • 「涼しい風が空を泳ぐように今吹き抜けていく」の『いく』
  • 「繋いだ手を離さないでよ」の『ないでよ』

この2箇所になります。

ではこの2箇所を本家同様、格好よく聴かせるハモリにしてみましょう

組み合わせによりハモリに動きを与える

結論から言うと、上に書いた『』内のハモリは4度下ハモリになってます。

つまり、3度下ハモリからもう1個下に音程を移動させていると言うことです


ハモリ作成時に説明したように解説すると、曲のキーがFメジャーのときの音程が「ファ」とすると、その3個下(4度下)は「ド」になります

これが4度下ハモリです。

因みにここからさらにもう1個下げる(「ファ」から「シ♭」まで下げる)と5度下ハモリになります


そしてこの法則に基づいてMelodyneのハモリを再調整すると、このようになります

3度下だけでハモリを作成した時よりも終止感(区切りを感じること)が増して、次の歌詞への流れが良くなった感じがします

ハモリを3度下で作成した場合、ずっと3度下でハモらなければならないという制約はありません

ハモリを作成する際は、常に楽曲全体の調和を意識し、隠し味として4度下や5度下・または3度上などに音程を移動して動きを与えると、とても美しい響きになることがあります

はじめは3度下、3度上ハモリを練習して、もし本家と違うかも…と感じる部分があれば別パターンを試してみると良いかも

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続編:ハモリのミックスについて

いよいよ次で最後になりました。

作成したハモリを楽曲と馴染ませ、楽曲として完成させていく作業を続編で行います。

今回ハモリを作成した方も、ご自身でハモリを歌われる方にも勉強になる内容になっているので是非ご覧ください

参考【女性編】初心者向け!ハモリのミックス方法を実践的に解説します

続きを見る

さいごに 〜ハモリを妥協しない〜

ここまでハモリの作成方法について教えてきました。

音楽的知識が必要な場面もあるので難しく感じたかもしれませんが、曲のキーを正確に理解し、対応表で7種類の音程を確認することさえできれば何とかなるかなと思います


そして今回も、前回・前々回同様知っておいて欲しいことがあるのですが、それは

「ハモリを妥協して欲しく無い」

と言うことです


「え〜ハモリって曲中でもそんな聞こえてこないし、多少雑でも大丈夫でしょ?」と言うの人もいるかもしれませんが、その感覚は今日限りで窓から捨ててください


そもそもボーカルにハモリがないと楽曲が単調に聞こえたり、またハモリの音程が間違っていると音が濁ってしまい曲全体に違和感を生じてしまいますそして、ハモリはアレンジを作るのに非常に優秀なので、個性の出したい場面や曲の盛り上がりなどを操作するのに非常に役立ちます。

歌い手として、またはMix師として活動するからには、まず違和感のないハモリが作成できることを目標とし、次のステップとしてアレンジができるようになって欲しいです


学べば学ぶほど奥が深い分野なので、どんな曲でも美しいハモリが作成できるように少しずつ進んで欲しいと思っております!

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★この記事を書いた人★

ひろ

2021年2月よりミキシングエンジニア(MIX師)として活動を始め、300件以上の作品を手がけました。
音楽制作(DTM)は2017年から始めました。

そんな僕が、誰でも「歌ってみた」や「ボーカルミックス」を楽しんで欲しいと考え、このサイトを作りました。

それ以外にも、レビューや健康、体験談など幅広く記事にしておりますので、ぜひ見ていただければ嬉しいです。

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